drop out of the game

俺は嘘をついていた。
名前や経歴だけじゃない。
本心すら全て隠して。

しかし、当たり前の事だろう？
他人に話を合わせる、場に溶け込む、それら失くして国や民族、
コミュニティというものは存在しない。

誰もが嘘を使い分ける。

家族の前、友人の前、社会を前にして……。

皆違う顔をしている……。


しかし、それは罪だろうか？
素顔とはなんだ？
もはやペルソナなしでは歩めないのだ

そう俺は嘘をつき続けてきた

仲間？自分がゲームを円滑に進める為の駒だろう

利用できるものは全て利用する

相棒？固定？そんなもの装備の為の綺麗ごとだろう

ゲームとして面白いのはいつ誰とどんなことが起こるかわからないハプニングであり
決められたルール、決められたやり方
そんなもの毎週なぞるだけで終わりの見えない仲良しの惰性でゲームはしたくない

信用している仲間からたったの一言で全てが壊れた

というより今までにない生の言葉。突きつけられた刃

間違っている。

公式では認められていないツールを使い相手の能力を数字で測る
数字が出ていないから下手糞。そういうのはゲームではない
ただの見下しだ。

測り方も知らないポンコツはありえない数字を超火力と言い張る

今まで出来てなかった人間がクリア組になった瞬間傲慢になり強欲になる

仕方がないことなのかも知れない。


今ある自分の居場所を守りたかった
ただそれだけの為に嘘をつくのが嫌になったのかもしれない

これだけは嘘ではなかったと言えるよ

皆ありがとう、楽しかったよ



「もういいよ。」

これで全てが終わる